UNHCR × 関学 特別セミナー「難民問題を考える」を開催(10/25)

[ 編集者:総合企画部(大学企画・グローバル化推進担当)      2019年11月1日   更新  ]


関西学院大学 西宮上ケ原キャンパスで10月25日(金)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のダーク・ヘベカー駐日代表をお招きし、前UNHCRインド代表の清水康子教授(関西学院大学総合政策学部特別客員教授)とのジョイントでの特別セミナー「難民問題を考える」(“Special Seminar on Refugee Issues”)を開催しました。

講演会に先立ち、へベカー代表、清水教授、神余隆博教授(国連・外交統括センター長)と、UNHCRインド事務所と駐日事務所の双方でインターンシップに参加した松田寛史さん(本学大学院人間福祉研究科2年・国連・外交コース履修生)で懇談会を開催。和やかな歓談の席には、「難民学生推薦入学制度(RHEP)」を通して本学に入学した学生2名も加わり、本学での学びや学生生活についてヘベカー代表に報告しました。(※RHEPについては後述もご参照ください。)

ヘベカー駐日代表(左から2番目)とRHEPによる入学生を囲んで

ヘベカー駐日代表(左から2番目)とRHEPによる入学生を囲んで

ヘベカー駐日代表による講演

ヘベカー駐日代表による講演

懇談後は、ヘベカー代表には “The World’s Current Displacement Situation & The Role of Japan” をテーマに、清水先生には “The Refugee Issue in India and the Role of UNHCR” をテーマに、それぞれ講演いただきました。

へベカー代表は、冒頭UNHCRの基本理念と活動の骨子、また難民の定義などを分かりやすい言葉を用いて、ご自身の想いや考えを交えつつお話されました。続いて、UNHCRの支援活動にまつわる様々なデータを提示しながら、難民が置かれている現状について具体的に問題提起され、本学に在籍する難民学生についても触れながら、「日本からは遠い現実とされている諸問題を我が事に置き換える想像力を持ってほしい」と述べられました。また、UNHCRが日本で活動をする意義や、難民問題への認知度の向上のための広報活動やイベント開催など日本国内での活動を紹介。参加者に対して、「日本は難民に対して十分な支援をしていると思うか」、「難民に対して一人ひとりが日本でまた海外で何ができると思うか」などを問いかけ、難民問題への意識を高める上で貴重な講演となりました。

清水教授による講演

清水教授による講演

清水教授は、2019年9月までUNHCRインド事務所代表を務められた経験から、インドでのUNHCRの役割とインド社会との関係についてお話されました。難民を取り巻く厳しい現実と、社会からの援助とのギャップを埋めるには教育とアドボカシーが不可欠であること、加えて、インド社会は一貫して難民へ寛容で、彼らを温かく受け入れる文化的土壌があり、これは支援の展開の中で重要な要素であった、と述べられました。2018年12月に国連で採択されたGlobal Compact Refugees (GCR)についても触れられ、国連の様々な機関、国家、ステークホルダーによるアドボカシーと、若い世代への教育の浸透が重要課題であると説かれました。

松田さんの発表

講演終了後には、UNHCRインド事務所と駐日事務所でのインターンシップを経験した松田寛史さんの発表も行われました。松田さんはインターンシップを通して実感した自分自身の成長について述べた上で、「特に私と同じ学生の皆さんは、今日ここで講義を受けた事、感じた事を持ち帰って、是非家族や友人、周りの人と共有してほしい。難民となった人々の存在を知る事が支援への第一歩になるから。」と参加者に向けて力強くメッセージを送りました。

最後の質疑応答では、両氏が諸国で職務に当られてきた中でのエピソードや、難民となった人々の思いと、それを取り巻く社会情勢の変化についても語られました。危険や困難の中で厳しい判断を迫られる状況でも、信念を持って問題解決に取り組んでこられた両氏の支援の歴史を垣間見る時間となりました。RHEPで本学に入学した難民学生からは、「私もいつかUNHCRの活動を通じて貢献したい。そのためにどのような準備が必要か。」との問いがあり、へベカー代表は「言語を学びなさい。多様な言語の習得は、将来必ずあなたを助けるスキルとなる。」と激励されました。

学生との質疑応答の様子

学生との質疑応答の様子

講演会のあと

約60名の参加者は、へベカー代表と清水教授のお二人の講演に真剣に聴き入り、熱気に満ちたセミナーとなりました。参加した学生からは「いままで難民について知らなかったが、もっと知りたいと思うきっかけになった。」と、意欲に満ちた感想が寄せられました。

関西学院大学では、今後も国連、国際機関などと協力して、難民問題を始め、グローバルな視野をもって学ぶ機会を提供していきます。

【難民高等教育プログラム(RHEP: Refugee Higher Education Program)について】
関西学院大学は2007年、UNHCRと協力し、難民の方々に対する高等教育の機会を提供する難民高等教育事業(RHEP: Refugee Higher Education Program)を日本で最初に始めました。その事業は現在、国内11大学に広がっています。

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