松成 玲美さん(2020年文学部卒)

[ 編集者:総合企画部(大学企画・グローバル化推進担当)       2020年3月25日   更新  ]

~ノルウェー留学経験を活かし、帰国後は留学生寮でレジデント・アシスタントとして活躍~

(プロフィール)

 高校2年の夏休みに海外の大学生リーダーと交流する国際プログラムに参加。自宅にホームステイをしていたタイ人の大学生から海外留学の話を聞いて以来、大学進学後は留学して語学力を伸ばし、外国文化を学びたいという想いを強く持つ。
 
 2016年兵庫県立長田高等学校を卒業後、同年4月関西学院大学文学部文学言語学科フランス文学フランス語学専修に進学。フランス語だけでなく英語力も伸ばしたい、さらにかねてから関心のあった北欧の福祉を学びたいと考え、大学2年次秋学期から2学期間、ノルウェー・オスロ大学で交換留学を経験、「インターナショナルプログラム」を修了。
 
 帰国後は、外国人留学生が滞在する本学の寮にレジデント・アシスタントとして約1年半の間入居し、留学生の生活面のサポートや交流促進に従事。大学卒業後は大手旅行会社に勤務予定。

1.所属学部での学び(ホームチャレンジ)

フランス語・フランス文学に没頭した文学部での4年間

■文学部ではどんなことを中心に学びましたか?

 高校時代に漫画「ベルサイユのばら」を読んだことをきっかけに、フランス語やフランスの文化に強い興味を持ち、文学部のフランス文学フランス語学専修に進学しました。

 フランス文学フランス語学専修では、一年生から二年生の終わりまで週に5コマのフランス語の授業、三年生では週3コマのフランス語の授業がありました。その他にも、フランス語に関する様々な授業や、文学についての授業を受講し、学部での学びはフランス語尽くしの充実した4年間でした。

留学とキャリアを考えるきっかけ

■自分自身の人生、キャリア設計に影響を与えた授業があれば教えてください。

 全学部生を対象に開講される「留学とキャリア設計」(*注1)という授業です。大学入学前から留学を考えていたため、一年生の時にこの科目を履修しました。グループに分かれて好きな大学を選び、留学するメリットなどを調べて発表するというのが授業の最終目的であり、普段の講義の大筋は「留学で得た経験を帰国後どのように自分のキャリア形成に生かすのか」というものでした。

 グループ分けの時は、方面や大学などをなんとなく選んでいたのですが、あらためて思い返してみると、あの時私のグループが選択したのは、後の私の留学先となる「オスロ大学」でした。卒業後のキャリア、就職したい業種を決断したターニングポイントとなったのは、オスロ大学留学中だったので、この授業を受講したことは、自分の人生の中での何かの縁だったのかもしれないと感じます。

(*注1) 国際教育・協力センター では、グローバル人材として必要な能力をより伸長させるべく、留学前後の学びや、学内で国際交流ができる様々な科目を全学生を対象に開講している。「留学とキャリア設計」は、留学事前科目の一つで、受講生が自分自身の理想とする”海外留学”のイメージを明確にすると共に、海外留学を通した自身の充実したキャリアを設計できるようになることを目的としている。留学事前事後科目や学内で国際交流ができる科目の詳細は こちら

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2.交換留学(アウェイチャレンジ:インターナショナル)

オスロ大学に留学を決めた理由

■なぜフランスの大学ではなく、オスロ大学に 交換留学 を決めたのですか?

松成さん・オスロルームメイト
留学中の寮でルームメイトたちと

 フランス語やフランス文学の勉強は好きでしたが、将来はフランスに限定した仕事に就くというつもりはなかったため、正直なところ、4年間ずっとフランス語だけを学び続けるのは勿体無いと考えていました。オスロ大学を選んだのは、(1)北欧の福祉に興味があった、(2)英語で行う授業がかなり多く開講されていた(ノルウェー人は9割以上の方が英語を大変流暢に話せるため、日常的に英語を使うこともできます)、(3)写真が趣味なので自然豊かで寒い国に住んでみたかったという理由からです。また、高校時代の先輩にオスロ大学への留学経験がある方がおり、お話を伺っていたことも影響しています。

現地の授業で受けたカルチャーショック

■オスロ大学ではどんな授業を受講しましたか?日本の授業との違いがあれば教えてください。

 私は社会福祉に関心があったため、「ノルウェーの生活と社会」、「北欧の福祉と子育て」などの授業を履修しました。日本の大学の授業と比べて、一つの授業の比重が重いと感じました。授業時間は1コマ1.5時間以上が普通で、多いものでは3時間ほどありました。授業中は、教授から意見などを求められることも非常に多いですが、オスロ大の学生は物怖じせず積極的でその姿にいつも圧倒されていました。

 また、毎回の授業ごとに課される読書量が膨大で、もちろん英語の論文を読むわけなので、大変苦労したのを覚えています。定期試験は試験時間が3~4時間あり、レポートの場合も求められる分量はかなり本格的なものでした。日本とノルウェーどちらのスタイルが良い悪いはないですが、相当なカルチャーショックを受けました。

自分の意見を主張する力、失敗を恐れず挑戦してみる力

■オスロ大学の 交換留学 を通してどんなことを学びましたか?

 オスロ市内の大会にて。個人戦で準優勝

 学業の面ではもちろん多くの学びがありましたが、それ以上に自分の考え方に大きな成長、変化がありました。学校での授業や寮での
共同生活を通して、自分の意見をはっきりと主張する力、失敗を恐れずにまず挑戦してみる力を身につけることができたと思います。
ルームメイトには積
極的に話しかけたり、困ったことがあったら相談したり、そのような姿勢を心がけたこととで良い関係を築くことが
できました。

 
また、最初は少し勇気がいりましたが、オスロ大学を始めとした市内の大学生や社会人が参加する地元のバドミントンクラブに参加し
たこと
で、定期的な練習や試合、大会などの機会を通して、子供から大人まで様々な年代の方と関わることができ、留学生活で一番の思
い出、友人を作
ることができました。

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3.留学生寮でのレジデント・アシスタント(RA)活動

寮で共に生活し、最も身近で留学生に手助けをする存在

■なぜ、 レジデント・アシスタント(RA) をしてみようと思ったのですか?

 きっかけは、オスロ大学留学中のルームメイトたちの存在です。ノルウェーでの初めての留学は、ワクワクする気持ちが大きかった反面、多少の不安もありました。多くのノルウェー人が英語を話せると言いつつも、スーパーなどでの商品表記は当然ノルウェー語で、当初は大変困惑していました。(どれが洗剤でどれが柔軟剤かもわからない、どちらが塩でどちらが砂糖かもわからないといった状況です。)そんな時、ノルウェー人のルームメイトたちに尋ねると、一緒にスーパーまで行ってくれたり、あるいはメモを作ってくれたり、本当に心強く、ノルウェーでの生活にすんなり馴染むことができました。これらの経験から、帰国後は自分自身が彼らのように、日本に来る留学生の手助けをしたいと考えるようになりました。

 日本語パートナーなど、関学には様々な留学支援体制(*注2)がありますが、RAは留学生と同じ寮で共に生活ができる唯一の存在であり、日本語が全くわからない留学生にとって、実際一番助けが必要であろう、日常生活を支えることができるという点で他とは大きく違っていました。

 (*注2) 国際教育・協力センター では、留学生との共同生活を通して生活の支援をする「レジデント・アシスタント」以外に、交換留学生の日本語会話練習や生活補助を行う制度や学部学生をサポートするパートナー制度ほか、留学生と日本人学生の交流促進や来日時の生活支援を行う活動など、日本人学生が主体的に留学生と関わり、支援ができる制度が整備されている。詳細は こちら

様々な人とのチームワークでトラブルを解決

■レジデント・アシスタント(RA)の活動期間、内容について教えてください。RAの活動を通してどんなことを学びましたか?
 

RA主催イベント「箸置きの絵付け体験」

 

 交換留学から帰国したすぐ次のセメスター(3年次秋学期)から始め、大学卒業までの1年半活動しました。

 RAの活動は(1)入寮時のサポート:寮のルールやRAの説明、寮近辺の案内など、(2)日常生活のサポート:部屋内の家電の使い方を教える、郵便物の翻訳、相談や悩み事を聞き状況に応じて解決の手助け、(3)交流イベントの企画・実施:日本料理(流しそうめんやたこ焼きパーティー等)のイベントやフィールドトリップなど月に一度の寮生交流イベントの企画が主な内容でした。

 留学生一人一人の目線はかなり違うため、総合的に配慮することの難しさを強く感じました。私が入居していた寮には、日本人のRA、正規留学生、交換留学生と様々な立場の学生が共同生活をしており、価値観も多様です。一概には言えませんが、交換留学生に比べ、RAや正規留学生は授業が忙しい他、テスト期間も交換留学生とは時期が異なります。そのため、交換留学生が夜間に騒ぐことで、正規留学生からの苦情が頻発します。また、生活面での意識も異なるため、掃除などのトラブルが発生することもあります。このような場合、まずは自分でできる範囲の対応をしますが、手に負えない時、他のRAや管理人さん、国際教育・協力センターの職員など、様々な人に協力を依頼することが非常に重要です。私は、RAになるまで、自分でできることは自分で解決したいと考えることが多かったのですが、この1年半のRA活動を通して、チームで働くとはどういうことか、チームワークの重要性を学ぶことができました。

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4.卒業後の目標と今後の夢

世界全体に貢献できる人材を目指して

■卒業後の進路、そして今後の夢について教えてください。

 卒業後は旅行会社に就職します。旅行業界に就職しようと決めたのは、オスロ留学中に新しい場所に旅行すること、知らない文化に触れることの楽しさを知ったからです。就職後は、旅行商品の企画や添乗などを行いますが、私個人の目標は、ありふれた情報ではなく、自分が様々な経験をさせていただいたからこそ提供できる生きた情報をお客様にお届けすることです。

 また、留学をしたノルウェーには人並みではない思い入れがあるため、日本の旅行業界ではまだそれほどポピュラーではないその魅力を一番に発信できるような企画を将来的には作りたいと考えています。

 就職活動では、留学中及びRA活動を通して身につけた力が非常に役立ちました。何かを経験しただけでは、就活では何の役にも立ちませんが、経験する中で苦労し、真剣に問題に向きあったり、自分なりに考えて解決しようとしたり、そのような努力が自分に自信をつける大きな要素になったと感じています。

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5.後輩へのメッセージ ~さいごに~

何事も勇気を持って積極的に挑もう!

■関学の後輩、そして今後関学への進学を志す高校生に向けてメッセージをお願いします。

 

           松成 玲美さん


 関西学院大学は、国際交流や留学に興味のある人には、多くのチャンスが与えられる大学だと思います。自分がマイ
ノリティとして外国に飛び出すこと(留学)も、国内にいながら留学生と共に生活すること(RA活動)も、関学では
経験することができます。少しでも興味があれば、ひとまず自分で国際教育・協力センターに足を運んでください。
情報収集をし、相談してみなければ何も始まりません。

 後輩の皆さんには何事も勇気を持って積極的に挑んで欲しいと思います!


 




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