国際通用性のある質保証システムの構築

[ 編集者:総合企画部(大学企画・グローバル化推進担当)       2015年10月16日   更新  ]

 本学は高等教育推進センターを中心に、以下の4つの方策を通じて「国際通用性のある教育の質保証」の確立に取り組みます。

国際的チューニングモデルの確立

 欧州ではEU成立と連動して、国ごとに異なる大学教育の制度や質を緩やかに統一し、教員や学生の流動性が高い欧州高等教育圏を形成するプロセスが進んでいます。その中で、大学は教育の目標(学習成果)について産業界と共同して基準を作る「TUNING(チューニング)」に取り組んでいます。
 一般に大学のレベルの高さで知られる米国でも欧州に倣い、社会が求める能力を分析して学問分野ごとに教育体系を整えるアメリカ型のチューニングが始まっています。米・ユタ州も、人材育成目標および学習成果を大学間あるいは企業と検証するチューニングに取り組んでおり、本学は、実際に導入に携わったユタ州立大学の専門家との共同研究を通じて本構想への適用方法を分析・検討し、分野別質保証を実施します。そして学問分野を選定して、米国の研究者との間で国際的チューニングの導入モデルを確立します。

学習成果検証方法の確立・導入

 世界の高等教育界において「質保証」の中心的テーマの一つとして議論されているのが、学習成果の検証方法です。本学は、米国のSHEEO (State Higher Educational Executive Officers Association)とAAC&U (The Association of American Colleges and Universities)が9つの州立大学機構の参画を得て平成26年度に始めたプロジェクト“Multi-State Collaborative”(以下MSC)にオブザーバーとして参画しています。MSCは、米国におけるこれまでの学習成果測定方法をさらに前進させる新たなモデルづくりに取り組んでおり、そこで得られた知見を活かし、本構想における国際的質保証体制の構築に適用します。

IR(Institutional Research)による学習成果検証調査の開発・運用

 本学はこれまでもIR(※)の推進に積極的に取り組んできました。現在30以上の大学が参画している「大学IRコンソーシアム」に発足時から参画し、在学生の学修行動に関する調査を全11学部で実施しており、自己アセスメントデータを蓄積して、学年進行による推移、年度の変化、学部間・大学間の比較を行っています。また、大学改革推進等補助金「大学間連携共同教育推進事業(8大学)」では大学時代に身につけた知識・技能に関する卒業生調査を企業や経済団体等と協力して実施しています。
 本構想では、これまでの調査で得た知見や手法をもとに、明確な指標に基づく学習成果測定をめざした調査設計に着手します。2017年度からパイロット調査となる学生調査と卒業生調査を開始し、2021年度には初めて新入生から卒業生までがひもづいた調査が完成します。そこから3年間で学習成果測定の指標を独自に開発・分析し、グローバル人材として必要な知識・技能についてフィードバックを行い、教育プログラムへ還元します。

※IR(Institutional Research)は、自らの大学についてのデータを多面的に収集・分析し、大学としての政策立案や意思決定を支援する機能。

国際通用性を担保したポートフォリオの構築

 上記の取り組みと並行して、学生自身がめざすべき学習成果を認識し、学業に取り組みながら自らの成果をきちんと振り返る(reflection)ことができる仕組みが必要になります。
 本学は、現在文部科学省平成24年度「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」事業に採択された「実践型“世界市民”育成プログラム」の履修学生を対象として学修行動の振り返りを促進するポートフォリオを構築しています。今後は一層の進化・発展を図り、上記MSC参加研究者との共同研究を通じて国際的通用性を担保した本学独自のモデルを完成させます。